未経験でも投資用不動産営業に転職できる?経験者が本音で解説
- 住宅の営業はよく聞くけど、投資用不動産って未経験でも入れるの?
- そもそも、投資系不動産営業って稼げるって本当なの?
- 投資系不動産の営業は未経験でも入社できる?

不動産業界への転職を考えていると、選択肢のひとつに入ってくるのが投資不動産営業。
結論から言えば、投資用不動産の営業は未経験でも十分に就職・転職可能です。
むしろ住宅営業よりも未経験採用には積極的な業態と言えます。ただし高額な年収に釣られて不動産投資営業を検討しているのであれば注意が必要かもしれません。
今回は、業界経験者の視点から「投資用不動産営業のリアル」「ほかの選択肢」について、包み隠さず解説します。
投資用不動産の仲介営業は“未経験OK”が基本
まず前提として、投資用不動産(主にワンルーム)の営業職は、未経験者の採用に積極的な傾向があります。
なぜなら、営業手法が住宅営業とはまったく異なるからです。
メインの営業手法は「電話営業」と「飛び込み」
住宅営業のように、ポータルサイトやSNSで集客された「検討層」のお客様を接客するのではなく、投資用不動産の営業は、見込み客を“こちらから開拓”していくスタイルです。
- ひたすら電話をかける
- とにかく飛び込んで名刺を配る
- 相手の心のスキをついてアポを取る
こうした営業手法は、「量」が勝負の世界です。つまり、たくさん動ける人が有利。だからこそ、企業側も「未経験でもいいから人手がほしい」と考えるわけです。



余談ですが私が新卒で入った中堅デベロッパーもとにかく毎日電話営業で顧客開拓をしていく会社でした。
なぜ投資用不動産の営業は未経験でも採用されやすいのか?
投資用不動産の営業が未経験採用に積極的な理由は、主に以下の3点です。
- 「行動量」が売上に直結するビジネスモデル
- 離職率が高く、常に人手不足
- 学歴・経歴より「実力」重視の文化
① 「行動量」が売上に直結するビジネスモデル
繰り返しになりますが、投資用営業の最大の特徴は「アポ取りがすべて」。
たとえ不動産に詳しくなくても、電話を1日200件かけて1件アポが取れる人が求められます。
逆に、不動産知識が豊富でも、電話が苦手な人は結果を出しづらいです。
② 離職率が高く、常に人手不足
実は、投資用不動産営業は離職率が非常に高い業態でもあります。
私自身、新卒で新築ワンルームの販売会社に入社しましたが、同期は40人。1年後に残っていたのはわずか5人。
ちなみに、一つ上の代は全員辞めていました。
それでも「うちはまだマシな世代だった」と言われる業界です(笑)
離職が多い=常に人手が足りない
だから未経験でも「まずは採用して、やってみてから判断」というスタンスの企業も多いのです。
③ 学歴・経歴より「実力」重視の文化
住宅営業や新築マンション販売では、大学名や前職もある程度見られますが、投資用不動産の営業では学歴・経歴よりも成果がすべてです。
- 中卒・高卒でもトップセールスは珍しくない
- フリーターやニート経験者でもチャンスあり
- 逆に、大卒で大企業出身でも辞めていく人も多い
実力主義・結果主義の世界だからこそ、「人生逆転したい」と考える人には向いている環境です。
投資用不動産営業の種類
一言に投資用不動産営業といっても扱う商品は様々です。
- 区分マンション
- ワンルームマンション
- 一棟アパート・マンション
- 戸建て賃貸
- 駐車場経営
- 商業用不動産(店舗・事務所など)
- ホテル・民泊物件
何を扱っているかで学べる知識や業務の幅、顧客層が大きく異なります。
例)一棟マンションの投資は富裕層を相手にすることが多い。商業用不動産のお客さんは法人が多いなど。
自分がどういったお客さんを相手に仕事をしたいのかを考えると、有象無象にある不動産投資営業の仕事から、どの会社を選ぶべきか判断できるようになります。
ワンルームの投資営業は注意が必要
投資系の営業で比較的多いのがワンルームマンションの営業ですが安易に応募する前に注意が必要です。
業界内では「ワンルーム会社は“不動産”というより“ワンルーム”」と言われます。
どういうことか?
理由としては、ワンルーム営業は、他の不動産ジャンルにはほとんど関わらず、事実上「ワンルーム」しか販売しない会社が多い。つまり、「不動産全般を扱うプロ」ではなく、「ワンルームを販売する専門業者」に近い存在というわけです。
幅広い知識が身につきづらい構造
ワンルーム販売は商品が「同じ」であることが多く、営業トークもテンプレに寄りがちです。物件調査・権利関係・法令・相続・税制など、“不動産全般”を学ぶ機会は意外と少ないこともあります。
そのため、
- 他の業態への転職が難しい
- ワンルーム販売から出られない
- キャリアが偏りやすい
といった悩みを持つ人も少なくありません。



不動産のプロになりたい方はワンルーム投資の営業は避けたほうが無難でしょう。
目的が「とにかく稼ぐ」ならアリ。だが…
もしあなたが、
- とにかくお金を稼ぎたい
- 今の環境を一気に変えたい
- 短期的に年収1000万以上を目指したい
という明確な目標があるなら、投資用不動産の営業(ワンルーム)は十分選択肢に入ります。
事実、1件の成約で50万〜100万以上のインセンティブが出る会社もあり、20代で年収2000万以上という人も存在します。
もっと「不動産を学びたい」なら仲介も検討を
もしも
- 法律・権利関係も含めて不動産を学びたい
- 住宅購入を支えるような営業がしたい
- キャリアを積みながら幅を広げたい
と少しでも考えているのであれば、売買仲介業の方が向いています。
わたしは未経験者が不動産業界にチャレンジする入り口は売買仲介がベストだと考えています。
私自身も、新卒でワンルーム会社に入り、その後に売買仲介に転職しました。最初の会社も好きでしたが、仲介で得た知識や経験は今もめちゃくちゃ活きています。
詳しくは別の記事で解説していますので、是非見てみてください。


投資用営業と住宅営業のざっくり比較表
項目 | 投資用(ワンルーム) | 住宅営業(仲介) |
---|---|---|
採用のされやすさ | ◎ 未経験歓迎 | △ 慎重な傾向 |
営業手法 | 電話・飛び込み | 反響営業・SNS |
年収のばらつき | 非常に大きい | 比較的安定 |
学べる知識 | 限定的(投資特化) | 広範(法律・税務など) |
キャリアの幅 | 限定されがち | 他業態に転職しやすい |
向いている人 | 稼ぎたい/行動力重視 | 不動産を学びたい |
【まとめ】目的に合った選択を。未経験でも道は拓けます
投資用不動産の仲介営業は、
- 未経験でも採用されやすく
- 若くして稼げるチャンスがあり
- 学歴や経歴に縛られず実力勝負できる
という、非常に挑戦しがいのあるフィールドです。
ただし、「稼げる反面、離職率も高い」「専門性が偏る」などのデメリットもあるため、
ご自身の“目的”と照らし合わせた上で選ぶことがとても大切です。
- とにかく今すぐ稼ぎたい ⇒ ワンルームもアリ
- 地に足をつけて不動産を学びたい ⇒ 仲介からスタートがおすすめ
不動産業界は業態の幅も広く、転職の選択肢も豊富です。
未経験だからこそ、「どういう未来を目指したいか?」をベースに職種を選ぶことが、将来の後悔を防ぐ第一歩になります。

