不動産売買仲介と新築販売営業を4業種で徹底比較|未経験者者へのおすすめは?

  • 「売買仲介と新築販売、どっちが稼げる?」と気になっている
  • 業態選びを間違えると、年収も働き方も大きく差が出ると聞いて迷っている
  • 将来的に安定して稼ぎたいけど、自分に合った道がどれかわからない

不動産業界は、他業界と比べて「稼げる可能性が高い業界」と言われています。

ただし、そのなかでも「どの業態を選ぶか」によって、年収・キャリアの伸び方・働き方は大きく変わります。

今回は、よくある疑問のひとつ、「売買仲介と新築販売、どっちが稼げるの?」という質問に答えながら、その他の主要業態も含めた年収・特徴・向き不向きをリアルに解説していきます。

本記事の執筆・監修

荒川 竜介(あらかわ りょうすけ)

未経験から売買仲介営業での成功まで導きます!


中堅デベロッパーから不動産売買仲介(上場企業)、不動産テック役員など、新卒から15年以上不動産業界に携わる。これまでのキャリアから大手不動産仲介・FC本部など業界への繋がりも豊富。

未経験者をたった2年目で年収1,800万円達成までサポートした実績あり。

転職コラムはすべて本人の経験をもとに執筆。

まずは売買仲介と新築販売の違いを理解

「売買仲介と新築販売って何が違うの?」という方もいると思いますので、まずはそれぞれの違いを表で説明します。

スクロールできます
項目売買仲介新築販売
扱う物件中古マンション、中古戸建、土地など建売戸建てや新築マンション
(自社 or デベロッパーの商品)
顧客の立場売主と買主の仲介役(両者の間に立つ)主に買主への直接販売(片側)
営業スタイル反響営業中心(ネット・チラシからの問い合わせ対応)店舗来場やイベント、飛び込み、ポスティングなど能動的な集客も多い
収入体系成約件数や両手仲介により歩合が変動案件ごとに販売ノルマがある
販売報奨金やインセンティブ制もあり
提案力物件の比較・条件交渉・資金計画など総合的な提案自社物件の魅力をしっかり伝えるプレゼン型
求められる力ヒアリング力、調整力、交渉力、幅広い知識プレゼン力、商品理解、情熱と行動量
特徴お客様に最適な物件を探す「相談役」的な立場自社商品を売る「営業マン」的な立場
働き方の傾向比較的自由度が高いが成果主義チーム営業や詰め文化が強めの傾向も
荒川 竜介

同じように見えても「仲介」と「販売」では扱う商材も求められる能力も異なるわけです。

未経験者者へのおすすめは「売買仲介(新築戸建メイン)」

まずわたしの経験からお伝えすると、

  • 比較的誰でも稼ぎやすい
  • キャリアのステップアップにつながる
  • 独立も視野に入る

という点から、売買仲介(新築戸建メイン)を最初の選択肢にするのが個人的にはおすすめです。そのうえで各業態の特徴を見ていきましょう。

不動産売買仲介営業と新築販売営業を4業種で徹底比較

仲介や販売にもそれぞれ種類があります。ザックリ分けると以下のように分けることができます。

  • 新築マンション販売(ファミリー向け)
  • 新築マンション販売(投資用ワンルーム)
  • 売買仲介(新築戸建メイン)
  • 売買仲介(中古物件・売主メイン)

新築マンション販売(ファミリー向け)

年収中央値400万〜600万
トップセールス年収800万〜1500万
主な特徴華やかな雰囲気・安定志向・学歴重視傾向あり

新築マンション販売は、不動産の中でも比較的“きらびやかな世界”です。モデルルームでの接客、スーツ姿の営業、洗練された空間…。

ただし、思ったほど収入は高くないのが実情。

なぜなら、一棟のマンションが完成するまでに関わる人が多く、インセンティブの分配が起こるためです。土地仕入れ・建築・広告・販売…と、関係者が多い分だけ、自分に返ってくる利益は限定的。

また、財閥系など一部を除くと、年収1000万円以上の人はそれほど多くありません。

新築マンション販売(投資用ワンルーム)

年収中央値300万〜500万
トップセールス年収2000万超もあり
主な特徴高インセンティブ・実力主義・電話営業が中心

ファミリー向け新築マンションより、こちらの方が“稼げる人は稼げる”業態です。

1戸売るごとに50万〜100万近いインセンティブが入ることもあります。

ただし、売れない人はまったく売れず、結果に大きな差が出る世界。電話営業がメインのため、かなりメンタルが強くないと厳しい業態でもあります。

  • ガンガン電話してアポを取る
  • 強いトーク力で乗り切る
  • 拒否されても凹まない鋼メンタル

このあたりに自信がある方は、チャレンジする価値があります。

売買仲介(新築戸建メイン)←個人的に最もお勧め

年収中央値400万〜600万
トップセールス年収1000万〜2000万
主な特徴反響営業が中心・再現性高い・潰しがきく

売買仲介(新築戸建メイン)は、比較的誰でも稼ぎやすいのが最大の魅力です。

スーモやアットホームなどに物件を掲載し、反響が来たお客様を接客・案内・契約へとつなげていく流れが基本。集客は会社が担っていることが多く、「営業がゼロから開拓する」ことは少ないのも特長です。

収入のイメージ例

3,000万円の物件を販売すると、仲介手数料は約100万円〜200万円ほど。
これを月に2〜3件成約できれば、年収1000万円は十分現実的です。

さらにこの業態がおすすめな理由

  • 他業態への転職がしやすい(潰しがきく)
  • 売主メインの仲介などへのキャリアアップが可能
  • 将来的に独立も現実的

華やかさは新築販売には劣りますが、実力をつけて稼ぎたい人には最適なスタート地点です。

売買仲介(中古物件・売主メイン)

年収中央値400万〜600万
トップセールス年収3000万以上も可能
主な特徴高単価物件を扱う・収入にバラつきあり・泥臭さもある

こちらは「売主側」から依頼を受けて不動産を売却するスタイルです。扱う物件が数億円単位の土地やビルになることもあり、仲介手数料の単価が圧倒的に高くなります。

収入のイメージ例

・1億円の物件の売買 ⇒ 手数料最大300万円
・10億円なら…? ⇒ 実入りは破格です。

ただし注意点も

  • 案件数が少ない
  • 安定しにくい
  • 「地主・資産家との関係構築」が難易度高め
荒川 竜介

だからこそ、まずは新築戸建の売買仲介で経験を積んでから、ステップアップするのが現実的です。

不動産売買仲介営業と新築販売営業のキャリアの違いにも注目

比較項目売買仲介新築販売
平均年収中〜高
最高年収層数千万円1000〜1500万(ファミリー)
2000万〜(投資用)
営業手法反響営業中心電話営業・接客中心
向き・不向き地道な対応が得意な人トークで惹きつけられる人
独立しやすさ◎ 高い△ 資金と人脈が必要
他業態への転職◎ 容易△ 同業種が多い

【まとめ】華やかさより「再現性」と「伸びしろ」で選ぼう

不動産業界は、どの業態でもしっかり結果を出せば年収1000万円超えが可能な「稼げる業界」です。

ただし、「どこから始めるか」で将来の広がりは大きく変わります。

  • まず稼ぎたい ⇒ 売買仲介(新築戸建)
  • もっと大きく稼ぎたい ⇒ 中古売買仲介(売主)
  • 華やかな職場がいい ⇒ 新築マンション(ファミリー)
  • トークに自信あり&実力勝負がしたい ⇒ 投資用ワンルーム販売

特にこれから未経験で業界に飛び込む方には、仕組みと再現性のある「新築戸建の売買仲介」がおすすめです。

多少泥臭い仕事もありますが、しっかり成果につながりますし、次のステップへの土台としても最適です。