飲食業から不動産営業への転職は可能?

私は高校卒業後からずっと飲食業に携わり、9年間修業した後に独立し、小さな居酒屋を経営していました。結婚して子どもも2人授かり、決して裕福ではないものの、家族4人が生活するには十分な収入を得ていました。

しかし、飲食業は厳しく、開業当初こそ応援もあり順調でしたが、徐々に客足が減り、経営が悪化。開業から10年経った今、毎月赤字が続くようになり、非常に苦しい状況です。このまま続けても状況が改善する見込みはなく、家族を養うためには店を畳んで新しいチャレンジをするしかないと考えています。

とはいえ、私は飲食店での経験しかなく、40歳手前で特別な資格もありません。

この年齢で未経験の業界に転職できるのか、ましてや成果が求められる営業職に挑戦してやっていけるのか、不安しかありません。

常連のお客様の中に不動産営業をされている方がいて、その方も30代で異業種から転職したと聞きました。話を聞いてみると、不動産業界は成果次第でしっかり稼げる仕事で、飲食業の経験が活かせる場面も多いとのこと。

正直、異業種への転職に自信がありません。


不動産営業に向いている人の特徴や、飲食業の経験が活かせる場面、未経験から成功するためのポイントを教えていただきたいです。

実は不動産営業には元飲食業の方が多くいらっしゃいます。私の同僚でも多数いました。

今回は一時期一緒に働いたことがあるIさんの実例を元に、飲食業出身の方が不動産営業に転職できるのか?活躍できるのか?について解説します!

飲食業から不動産営業に転職したさんの実体験

Iさんは高校卒業後からずっと飲食店。

9年間修業したあと、晴れて独立。こじんまりとした個人経営の居酒屋を経営していました。

この間結婚もしてお子様2人も生まれたIさん。個人経営のためものすごく儲かっていたではありませんが、家族4人が生活するには何不十分ないくらいには稼げていました。

飲食店の経営は難しいもの。

開業当初は応援という意味合いもあり客足はよかったのですが、顧客サイクルの変化で徐々に閑古鳥が鳴くように。

開業10年で毎月赤字になってしまい、とても苦しい状況に陥ってしまいました。

Iさんはここで悩みます。

このままいっても大きく改善するとは思えない。家族全員食わせるためにはお店をたたんで、違うチャレンジをする最終チャンスなんではないのか?でも自分には飲食店での経験しかない。実績がなにもない40手前の自分を雇ってくれるところがあるのか。

と。

そこでふと思い出します。

常連さんの中で羽振りがいい人が不動産をやっていたことを。その人も30代で異業種から転職した口。

何か動かないとと思いその人に相談をしたところ、その方が現在勤めている会社に口聞きすると。

ただ、普通の転職者と同様の面接フローとなるため、本当に働けるかは約束できないという話だったみたいです。

他に道が無かったIさんは藁にもすがる思いでIさんが勤めていた会社に、一般面接者として参加し、無事通過。

元飲食店のIさんは晴れて不動産営業デビューを果たしたのです。

元飲食店は不動産営業で活躍できた?

結論、素晴らしい転職となりました。

Iさんは今では管理職になっており、役職でいうと紹介者を抜いてしまいました笑

40手前の転職で、周りは20代営業ばかり。

年次でいうと自分が後輩になるため、あごで使われることもしばしば。

今まで経営者としてやってきてから、この環境の変化のストレスは想像を絶するものがあると思います。

ただ、Iさんの働く動機はすべて家族のため。ぐっと我慢して、20代半ばの若造からもありがたく教えをいただくというスタンスを貫いたのが成功の要因です。

また、Iさんは毎朝一番早く来て、夜は日付が変わるまで働いていました。誰に言われるでもなく、全て自分のために行動ができたのもIさんが上り詰められた要因です。

私も当時一緒に働いていましたが、「すごい」の一言でした。

覚悟が決まった男の目はとてもかっこよかったです。

今では飲食店経営時代よりはるかに裕福な生活を送っているIさん。

本当にあの時の決断は大成功でした。

元飲食店は不動産営業に向いている?

ここまでIさんについてお話をさせていただきましたが、

  • 「個人居酒屋とはいえ元経営者だからそもそもの能力が違う」
  • 「飲食店での経験が関係なく、Iさんの脂質じゃないの?」

という意見が聞こえてきそうです。

確かにIさんだからできたことはありますが、Iさんに限らず飲食店での勤務経験は実は不動産営業に結構活きるのです。

下記一例を上げさせていただきます。

長時間勤務できる

不動産営業はやればやっただけ報酬がもらえる仕組みです。だから長時間働ける体力、気力はそれだけでプラスに働きます。

飲食店の方々の労働時間は不動産営業に比べたら楽勝です。

接客力

日々、様々なお客様を接客することも不動産営業との共通点です。さらに言えば飲食は一日数十組接客するのに対して、不動産営業は1週間に数組。

接客力でいえば飲食に軍配があがります。

もちろんここから高額の商品を販売するクロージング能力や適応力は必要ですが、後からでもなんとでもなります。

兎にも角にも営業はコミュニケーションが円滑でないと務まりません。その素養が飲食で身に着くのです。

ストレス耐性

飲食に来るお客は我が物顔で来ることが多く、特にお酒を提供する店であれば変な方も中にはいらっしゃると思います。

そんな環境で働けば、ストレス耐性やクレーム対応力が自然とあがります。

この2つは不動産営業でも使える能力です。

ただ、不動産営業だけだと中々この2つは身につかない(回数の問題)のですが、飲食であればこの2つが兼ねそろっています。

一見関係が無いように見える飲食業と不動産業。

実は多くの接点があるため、飲食店での経験は不動産営業でも絶対活きるのです。

まとめ

飲食店から未経験で不動産営業に転職する方はたくさんいらっしゃいます。

もちろん全員が活躍しているわけではありません。

  • 長時間働くのがいやだから転職したい
  • 努力せずに稼ぎたいから転職したい
  • なんとなくいいって聞いたから転職したい

このようなマインドの方は漏れなく不動産営業でも通用していません。
(というかどんな業種でも難しいですね)

もしこのようなマインドであれば、不動産営業はあきらめてください。

恐らく時間の無駄になるだけです。

今よりもっといい人生を歩みたいとお考えの方。

ぜひ不動産営業も検討の一つにいれていただければ幸いです。

この記事を書いた人

【略歴】
①中堅デベロッパー
②大手不動産売買仲介
③フルコミッション営業
④不動産テック執行役員

上記のキャリアから不動産領域を幅広くカバーし、大手不動産仲介・FC本部など業界への繋がりも豊富。

【転職サポート実績】
まったくの未経験から不動産業界へ転職をサポート。
3年目で年収2,000万円達成!

【転職後のフォロー】
相談や戦略アドバイスなど、実体験ベースや業界トレンドを把握したうえでサポート。