工場から不動産営業への転職は可能?
私は高校卒業後、地元で最も有名な工場に就職しました。
地元では「その工場に入れたら勝ち組」という風潮があり、当時は家族も自分も誇らしく思っていました。 仕事は単調でしたが、真面目にコツコツと働き、毎年ボーナスも出ていたので、不満なく過ごしていました。趣味の車を改造したり、貯金をしたりと、それなりに充実した生活を送っていたと思います。
しかし、ある日、先輩方と食事に行った際、給料の話になり衝撃を受けました。自分より10年以上長く働いている先輩方の給料が、自分とほとんど変わらなかったのです。
さらに、責任者クラスの方でも大差ないと知り、「このまま働いても大きく収入が増えることはない」と実感しました。 とはいえ、地元では名の知れた会社ですし、家族も喜んでいるので環境自体に不満はありませんでした。ただ、ここで一生働き続けることを想像したとき、「このままでいいのか?」「自分の人生、このまま終わるのか?」と強く考えるようになりました。
数か月悩んだ末に、一念発起して工場を退職。ただ、転職先のプランはまったくのノープランでした。学歴があるわけでもなく、大企業に入る道もありません。何をすればいいのかわからず悩んでいたとき、求人広告で「20代で年収1000万!」「頑張った分だけ評価されます!」という言葉が目に入りました。
それが不動産営業の仕事でした。なんとなく「不動産業界は稼げる」と聞いたことがあり、具体的な仕事内容はわからなかったものの、「今のまま何も変わらないよりはマシだ」と思い、思い切って履歴書を送ることにしました。 そのまま面接を受け、気がつけば不動産営業としてのキャリアをスタートすることになりました。
ただ、未経験で営業職は不安もありますし、本当に稼げるのか、工場勤務の経験が活かせる場面があるのかも知りたいです。不動産営業として成功するためのポイントを教えていただけないでしょうか?
日本が世界に誇れる製造業。誇り高い仕事で、お勤めされている方も多数いらっしゃいます。
その一方、日々同じことの繰り返しで刺激が少なく、ご転職を検討される方も多数いらっしゃるのも事実で、弊社にも多数ご相談をいただきます。
実は不動産営業にも元工場勤務の方はたくさんいます。
私の元上司は元工場勤務から不動産営業に転職して大成功を収めました。(以後Kさん)
今回はKさんの実例をご紹介しつつ、工場勤務の方が不動産営業に転職できるのか、また活躍できるのかについて解説します!
工場勤務から不動産営業に転職したさんの実体験
Kさんは高校を卒業して地元の工場へ就職しました。その工場はその地域では一番有名な会社。
Kさんの地元は比較的田舎で、その工場に就職することが地元では勝ち組という田舎あるあるの会社でした。そのため、就職当時はKさんもご家族も鼻高々だったようです。
元来真面目なKさんはその工場でも真面目にコツコツ働きました。
多いわけでは無いですが、毎年安定的にボーナスも出ており、しっかり貯金もしながら趣味の車を改造したりなど充実した毎日を送っていたようです。
これだけ聞くとKさんが転職する理由はありませんが、一つのきっかけから転職を検討することに。
就職して2-3年経ったある日の給料日、先輩方とご飯に出かけました。
そこで給料の話になり、先輩方の給料を聞くと愕然としました。自分とほぼ大差が無いのです。
先輩方はみんな自分より一回り以上年上の方々。なんならユニットリーダー(Kさんが担当していたラインの責任者)の役職付の方もいたようです。
でも今の職場は地元では一番の企業。同級生にも自慢ができ、家族も鼻高々。この環境自体に不満はありません。
ここでKさんは考えます。
これから数十年働いても今と全く生活が変わらない。
自分がやりたかった人生はこんなものなのか?
これでいいのか?
と。
数か月考えられたそうですが、結果としては一念発起。工場を辞めることにしました。
ただ、何をやるかは全くのノープラン。学歴があるわけではないので、都心に出て大企業に勤める道もありません。
どうすればいいか頭を抱えているある日、ふと見た求人紙に
「20代で年収1000万!」
「頑張った分だけ評価されます!」
というキャッチフレーズが目につきました。見てみると不動産営業という仕事です。
確か不動産は稼げると昔聞いたことがあります。
具体的に何をやるか全く分かりませんが、今のままいるよりよっぽどマシと考えとりあえず履歴書を送ってみることに。
そしてあれよあれよと進み、Kさんは晴れて不動産営業デビューを果たしたのです。
元工場勤務は不動産営業で活躍できた?
晴れて不動産営業デビューを果たしたKさんは活躍できたのでしょうか?
冒頭でもご説明した通り大成功でした。
でも最初の会社では最初はうだつがあがらなかったそうです。
最初の不動産会社は中卒、高卒もいたので自分より年下の同僚ばかり。また、元ヤンやコミュ力お化けばかりがいたようなザ営業会社だったようです。
それと比べKさんはオタク気質(当時はそんな言葉がなく根暗と言われていたそう)だったため、中々数字がついてきませんでした。
そんな中、自分より後に入ってきた営業に抜かれる始末。正直最初はできない営業だったとKさん自身が語っています。
でも工場時代に手に入れたコツコツ努力できる力がKさんの強み。
他の営業がやらないようなことを積み重ねました。
一例ですがこんなことをやっていたそうです。
- 接客後かならずお礼の手紙を送る
- 物件情報は毎月送る
- 成約したお客様の誕生日にはプレゼントを送る
同僚はノリと勢いで営業をしていましたが、Kさんはそれができないので少しづつ信頼を積み重ねる戦略にしたのです。
最初の1年は成果がでませんでしたが、コツコツ積み重ねていくうちに徐々にKさんファンが増え、紹介やリピートが増えてきました。
そうすると上司からも案件をもらえるようになり、数年後には会社で1番の営業になれたとのこと。
(入社当時いた同期はほぼ全員辞めていたそうです)
Kさん曰く、
「工場時代の経験が活きた。工場では小さい改善が生産性に直結する。だから営業でも同じことをしただけ」
とのこと。
そのまま順調に成果を上げ続け、20代半ばにはなんと夢の年収1000万を手に入れました。工場時代は深夜手当込みでやっと手取り20万を超えるか超えないか。たった数年で状況がガラッと変わったのです。
その後はヘッドハンティングや人の縁でいろいろな会社を渡り歩き、今は自身で不動産会社を立ち上げ、社長として活躍しています。
Kさんはよく、
「工場時代のあの時に辞める決断をしてなかったらと思うとぞっとする」
と言っています。
元工場勤務は不動産営業に向いている?
Kさんの活躍を見ればわかりますが、めちゃめちゃ向いています。
要素としては、
・地味なことをコツコツ愚直にできる
・約束を守ることができる
この2点です。
工場ではこの2つの要素が生産性に直結します。
この2つはどちらも人から信頼される要素です。多くの人にとって人生で一番高い買い物である不動産。これを任せる営業は少なくとも信頼できる人に任せたくなるというのが心情です。
時間はかかりますが、だからKさんはお客様から選ばれここまで成功できたのです。
まとめ
不動産営業で成功するタイプはコミュ力があるタイプと思われがちですが、トップ営業は実はコツコツタイプも多いのです。
特に不動産営業はコツコツ努力できる人が少なく、ノリと勢いでなんとかしようとしている人だらけです。
だからこそ工場で働いた経験が活きます。
もし今工場で働いていて今後の人生に不安があるようであれば、一度不動産営業を考えてみてください。
よりよい人生になることを保証します!
この記事を書いた人
【略歴】
①中堅デベロッパー
②大手不動産売買仲介
③フルコミッション営業
④不動産テック執行役員
上記のキャリアから不動産領域を幅広くカバーし、大手不動産仲介・FC本部など業界への繋がりも豊富。
【転職サポート実績】
まったくの未経験から不動産業界へ転職をサポート。
3年目で年収2,000万円達成!
【転職後のフォロー】
相談や戦略アドバイスなど、実体験ベースや業界トレンドを把握したうえでサポート。