不動産営業の繁忙期と閑散期はどれくらい差がある?賃貸と売買で異なる実態とは?
不動産営業を目指す方からよく聞かれるのが、「繁忙期と閑散期ってどれくらい差があるんですか?」という質問です。
特に賃貸営業を検討している方は、年度末が忙しいという話を耳にしたことがあるかもしれません。ここでは、不動産営業の繁忙期・閑散期の差について、賃貸営業と売買営業の違いに触れながら詳しく解説していきます。
賃貸営業の繁忙期は1月〜3月がピーク
不動産業界の中でも、賃貸領域の営業は特に繁忙期と閑散期の差が激しいです。
その最たる例が1月〜3月。
これは、
- 新生活の準備(進学・就職・異動)
- 法人契約の集中
- 転勤や引っ越しシーズン
など、賃貸物件への入居ニーズが集中するタイミングです。
実際、年間契約数の約50%がこの3カ月間で決まると言われています。逆に言えば、**残りの9カ月(4月〜12月)で残りの50%**しか契約がない、ということ。
数字で表すと──
- 年間契約数を100件と仮定
- 1月〜3月:約50件(1カ月平均:約16件)
- 4月〜12月:約50件(1カ月平均:約5.5件)
つまり、繁忙期の業務量は通常の約3倍になります。朝から晩まで案内・契約・問い合わせ対応に追われ、休みが取れないこともざら。

「不動産営業って稼げそうだけど、休めないって本当?」と感じる方もいるかもしれませんが、少なくともこの時期はある程度覚悟が必要です。
売買営業は賃貸ほど繁忙期の差がない
一方、売買仲介の営業においては、そこまで顕著な繁忙期・閑散期の差はありません。
たしかに売買も年末から年度末(12月〜3月)にかけて多少動きが活発になります。これは住宅ローン控除の適用や、税制優遇のタイミングに合わせて動くお客様がいるためです。
ただ、あくまで”多少忙しくなる”程度であり、
繁忙期:通常期の1.2倍程度
という感覚。賃貸のように「3倍忙しい!」というほどではありません。
なぜ賃貸と売買でこれほど差があるのか?
その背景には、取引の性質の違いがあります。
- 賃貸:生活の変化に直結。決断までのスピードも早い。
- 売買:資金計画、ローン、内覧、検討などプロセスが長期にわたる。
また、売買営業でも新築戸建販売が中心なのか、売却物件の仲介が中心なのかによって、忙しさの波はかなり異なります。
新築販売は広告展開のタイミングや決算期に合わせて波が出ることがありますし、売却仲介は反響次第で月による変動が少ない場合も。
会社や取り扱い物件によっても異なる
ここまで賃貸・売買の一般的な傾向をお伝えしましたが、実際のところ所属する会社の商材やマーケットポジションによって変わります。
例えば、
- 地域密着のファミリー向け賃貸がメイン:2〜3月が鬼忙しい
- 投資用ワンルームがメイン:年間通して安定
- 住宅販売中心の売買:3月決算に向けたキャンペーンなどで多少波あり
なので、面接や企業研究の段階で「取り扱い物件の種類」や「年間の反響数・成約数の傾向」などを確認すると、入社後のイメージがしやすくなります。
まとめ|不動産営業の繁忙期はどこに所属するかで大きく変わる!
- 賃貸営業は1〜3月が超繁忙期(通常の約3倍)
- 売買営業は繁忙期の差は小さい(1.2倍程度)
- 商材や会社の方針によって波の大きさは変わる
不動産営業における“忙しさの波”は、どの領域で働くか、どの会社に所属するかによって大きく変わります。
自分の性格やライフスタイルに合った働き方をしたい方は、ぜひこのあたりも踏まえて企業選びを進めてみてくださいね。