不動産営業って売上を取られたり、社内で足を引っ張られたりするの?業界経験者の本音

  • 不動産営業は競争が激しいと聞き、売上を横取りされたり足を引っ張られたりするのではと不安に感じている
  • 成果主義の世界では周囲との信頼関係が築きにくく、社内のギスギスした空気が心配になっている
  • 業界ならではのトラブルや人間関係のリアルな一面を知っておきたいと感じている
現在の画像に代替テキストがありません。ファイル名: pixta_96530316_M.jpg

不動産業界に興味はあるけど、ふと気になるのが「人間関係」のこと。

実際、数字が評価のすべてと言われる不動産営業では、社内の競争意識が強いことも事実です。

この記事では、業界経験者の立場から

  • 実際に売上を取られることはあるのか?
  • 社内で足を引っ張られるケースはあるのか?
  • どうすればそういった状況を避けられるか?

についてリアルにお伝えします。

本記事の執筆・監修

荒川 竜介(あらかわ りょうすけ)

未経験から売買仲介営業での成功まで導きます!


中堅デベロッパーから不動産売買仲介(上場企業)、不動産テック役員など、新卒から15年以上不動産業界に携わる。これまでのキャリアから大手不動産仲介・FC本部など業界への繋がりも豊富。

未経験者をたった2年目で年収1,800万円達成までサポートした実績あり。

転職コラムはすべて本人の経験をもとに執筆。

結論:ケースはあるが「めったに起こるものではない」

まず前提として、売上を取られる・足を引っ張られるといったトラブルは“ゼロではない”です。
ただし、思っているほど頻繁にあるわけではありません。

実際に私も「売上を横取りされた経験」はありますが、それは特殊なタイミングと環境が重なったレアケースでした。

むしろ、不動産営業は個人の成果がはっきり分かる世界なので、他人の手柄を横取りしてもすぐバレるのが現実です。

では、どんなときにそういったケースが起こり得るのか、パターン別に見ていきましょう。

よくある売上トラブルの3つのパターン

1. 大手企業の“出世レース”での駆け引き

大手の不動産会社では、昇進やボーナスの基準が「年間(または半期)の売上額」になっていることが多いです。

そのため、期末が近づき、あと少しで目標達成…というタイミングで

  • この案件は先輩に持っていかれた
  • 気づいたら共同担当になっていた

ということが起こる場合があります。

ただしこの場合、完全な横取りというより「調整」的な意味合いが強く、実際には何かしらのバーター(評価や報酬)があることが多いです。

よほど社内の人間関係が悪くない限り、一方的に奪われるケースは少数派です。

2. 管理職の“えこひいき”が原因になることも

これは私自身も経験がありますが、自分が契約までこぎつけた案件に、管理職の判断で別の営業が共同担当として加わることがあります。

表向きは「サポート」という形ですが、結果的に売上が分割されるというパターンです。

特に、上司に気に入られている営業の数字が上がっていないときに発生しがちです。

正直、理不尽に感じることもありますが、冷静に振り返ると「自分がちゃんと社内営業をしていなかった」ことも原因のひとつでした。

3. フルコミッション営業の“追い詰められた人”の行動

フルコミッション(=固定給ゼロで完全歩合)の営業会社では、「売らなきゃ生活できない」というプレッシャーから、極稀に同僚の案件を“盗む”ような行為をする人もいます。

  • 無断で先に連絡する
  • 案件を横取りして自分の名義にする

こういった行動は基本的にすぐバレますし、トラブルに発展するケースが多いです。

組織体制がゆるい、または小規模な会社ほど起こりやすい傾向があります。

社内の“足の引っ張り合い”は意外と少ない?

足の引っ張り合い、いわゆる陰湿ないじめや嫌がらせのようなものは、実はあまり見かけません。

というのも、不動産営業は数字がすべてなので、足を引っ張ることよりも自分の成績をどう上げるかに皆集中しているからです。

また、チームでの成果評価がある会社では、仲間の成果=チームの成果となるため、むしろ協力し合う文化が根付いている場合もあります。

もちろん、人間関係の合う・合わないはありますが、「他人を蹴落としてでも…」という雰囲気が日常的にある職場は少数派です。

トラブルを防ぐためにできる3つの対策

1. 社内営業をしっかりする

斜に構えて「数字さえ出せばいいでしょ」という態度では、損をすることもあります。
上司や先輩との信頼関係を築くことも営業活動の一部。

  • 日頃から報連相を欠かさない
  • 成果を共有する
  • 仲間のフォローもする

こういった積み重ねが、いざというとき自分を守ってくれます。

2. 契約・案件の管理は明確にしておく

自分の担当案件については

  • 進捗を上司と共有する
  • 書類やメールは記録を残す
  • 顧客対応の履歴もこまめに残す

など、「誰の案件か」が明確になるような管理をしておくと安心です。

3. 会社選びの段階で“風土”を見極める

入社前の面談や面接時に、以下のような視点で会社を見てみてください。

  • 社員同士の距離感は近すぎないか?
  • 営業スタイルはチーム型か個人型か?
  • 成果主義に偏りすぎていないか?

あまりにもギラギラしすぎた文化だと、疲弊してしまう可能性もあるため、自分に合った会社を選ぶことが最も大切です。

まとめ|「社内営業」も含めて不動産営業の実力

不動産営業は、確かに実力主義の世界です。

その中で、売上の横取りや足の引っ張り合いが起こるケースもゼロではありません。

ですが、それはごく一部の環境やタイミングで起こる例外的な話。

多くの営業マンは、仲間と協力しながら、時に競い合いながら成果を出しています。

そして、そういった状況を避けるためには

  • 上司や社内メンバーと良好な関係を築くこと
  • 案件管理をきちんと行うこと
  • 自分の成果だけに固執しすぎないこと

が何よりも大切です。

「社内営業なんて…」と思わずに、“チームの中でどう信頼を得るか”も、不動産営業の立派なスキルです。

これから不動産業界に挑戦したい方は、ぜひ参考にしてみてください。