不動産売買仲介の仕事内容って?具体的な業務の流れを3ステップで解説
- 「売買仲介の仕事」と言われても、実際に何をしているのかイメージが湧かない
- 営業職に興味はあるけど、一日の流れや働き方が具体的に知りたい
- 転職先として検討しているが、自分にできるかどうか判断がつかない

不動産業界の中でも求人が多く、稼げる可能性の高い売買仲介営業。
興味はあるものの「実際、売買仲介ってどんな仕事なの?」という疑問を持っている方、多いのではないでしょうか。
お客様とのやり取りはなんとなく想像できるけれど、普段の仕事の流れや、社内外でどんな動きをしているかまでイメージできている人は意外と少ないもの。
この記事では、不動産売買仲介の仕事を「集客」「接客」「契約」という3つのフェーズに分けて、具体的な業務内容をわかりやすくお伝えします。
不動産売買仲介の仕事内容は「集客・接客・契約」の3ステップ
不動産仲介の仕事はシンプルに分類すると、次の3つに分かれます。
- 集客(お客様を集める)
- 接客(お客様の要望をヒアリング、物件提案)
- 契約(契約書作成や手続き)
それぞれの業務をもう少し詳しく見ていきましょう。
【STEP1】不動産仲介の仕事は集客からはじまる
仲介営業において、最初の一歩が「集客」です。扱うのが高額商品ということもあり、こちらからのアプローチではなく、お客様からのお問い合わせ(=反響)をいかに獲得できるかが鍵になります。
不動産仲介会社の集客手法には以下のような種類があります。
分類 | 具体的な集客方法 |
---|---|
Webからの反響 | SUUMO、ホームズなどのポータルサイト、HP、SNS広告など |
紙媒体 | ポスティング、新聞折込チラシ、地域のフリーペーパーなど |
現地販売会 | オープンハウスの開催 |
飛び込みやテレアポ | 個人宅への飛び込み・電話帳からテレアポ |
過去のお客様からの紹介・リピート | 既存顧客からのご紹介 |
最近はWebからの反響がメインになっている会社が多く、「飛び込みやテレアポは一切なし」という会社も増えてきています。
一方、WEBで集客する仕組みが整っていない会社では、飛び込みやテレアポ、紹介などが中心となり個人の努力に頼る部分が多くなる傾向にあります。

「どのように集客しているのか?」は、就職する不動産会社選びにも直結する重要なポイントなので、事前に確認しておくことをおすすめします。
【ステップ2】接客でお客様を自社の顧客にする
不動産売買営業は「不動産を買いたい人」「不動産を売りたい人」の2つにわけることができます。
不動産を買いたい人 | 買主 |
不動産を売りたい人 | 売主 |
一言に接客といっても「買主」と「売主」では仕事の進め方が大きく異なります。
買主対応の流れ
- Webなどからの問合せを確認
- 電話やLINEで来店・面談のアポを調整
- 資金計画やエリア、希望条件をヒアリング
- 条件に合う物件の紹介&現地案内
- 気に入った物件が見つかれば購入申込へ
内覧準備として、物件の空室確認や鍵の手配、資料作成なども営業が行うケースが多いです。
売主対応の流れ
- 売却の問合せを受ける
- 現地訪問して建物の状況・周辺環境などを確認
- 査定書を作成・提示
- 売却活動(広告出稿や販売資料作成など)
- 購入希望者が現れたら交渉、条件調整



売却の方が物件知識・価格設定の難易度がやや高く、未経験者は買主側の対応からスタートすることが多いです。
【ステップ3】契約書の作成から引き渡しまで、すべて段取りがカギ
接客営業を経て、お客様様の不動産購入や売却の意思が固まったら、いよいよ「契約フェーズ」です。
不動産契約業務の主な流れ
- 重要事項説明書の作成
- 契約書の作成
- 役所・法務局での調査(都市計画、法令制限など)
- 重要事項説明(宅建士による読み上げ)
- 契約書への署名・捺印
- 決済(残代金の受領、登記、鍵の引渡し)
※宅建士の資格を持っている方は❹の重要事項説明で役に立てることができます。
調査や書類作成は専門的な知識も必要なため、最初は先輩社員に同行して学ぶことになります。
この契約業務まで一人でできるようになるには、平均1~3年かかるといわれていますが、最近では一部を事務スタッフがサポートしてくれる会社も増えています。
未経験でも活躍できる?リアルな1日のスケジュール例
未経験から仲介営業をスタートした場合の、リアルな1日をイメージしてみましょう。
時間帯 | 内容 |
---|---|
9:00 | 出社・朝礼・メール確認 |
10:00 | 物件確認・資料作成 |
11:00 | 買主への物件提案・LINE対応 |
12:00 | 昼休憩 |
13:00 | 売主宅訪問・査定 |
15:00 | 内覧対応(現地案内) |
17:00 | 書類作成・反響フォロー |
18:00 | 翌日の案内段取り・退社準備 |
19:00 | 帰宅 or お客様との夜アポ |
実際には土日が繁忙で、平日は仕込み(物件調査や書類作成)を行う会社が多いです。



体力的にも大変な一面はありますが、経験を積むことで効率よく動けるようになっていきます。
不動産売買仲介営業は「幅広い経験」ができる仕事
私は未経験の方であれば、賃貸営業や投資営業ではなく売買仲介営業をおすすめしています。
売買仲介の魅力は、ただの「接客」や「営業」だけではなく、
- 価格の相場観
- 物件や建築の知識
- 税金や登記の手続き
- 交渉力や心理的駆け引き
といった多面的なスキルを自然と身につけられるところにあります。
私の知り合いには売買仲介営業を未経験から始めて、独立。
その後に不動産買取再販事業を始めて年収5,000万円という方もいます。
こうしたキャリアを実現できるのは、売買仲介で自然と幅広いスキルや知見を得るからこそできることです。



私は中堅デベロッパーの営業から始めましたが、新卒からやりなおすなら必ず売買仲介営業を選びます。それくらいおすすめです。
まとめ:売買仲介の仕事はハードだけど“価値がある”
不動産売買仲介は、決して楽な仕事ではありません。
1件の契約にたどり着くまでに何十件も物件を紹介し、何度もお客様とやり取りを重ねる必要があります。
でも、だからこそ1件の契約が決まったときの達成感は、他の仕事では味わえないレベルです。
そしてこの仕事のもうひとつの魅力は、努力がしっかりと収入に反映されること。
- 営業未経験でもチャレンジできる
- 幅広いスキルが身につく
- 自分次第で年収1000万円以上も狙える
こうした要素を踏まえ、自分にとっての理想の働き方ができる不動産会社を選んでいただけたらと思います。
ご参考になれば幸いです。