机上査定の地味テク「査定書の送り方」

前回は「本の同封」について、お伝えしました。

しかし、机上査定では郵送はしないという方針の不動産会社様も多く、本なんて送らない!と言われそうです。

ただ、極論郵送をしないと、訪問査定に呼ばれる確率がぐっと下がります。

今回は「査定書の送り方」について、掘り下げてみようと思います。

◆査定書の送り方

まず郵送が必要な理由です。

机上査定から訪問査定に進む売主は、ある程度時間に余裕があることがほとんどです。

査定書の送り方

そのため、各不動産会社の査定書が出揃ってから、吟味し訪問査定に呼ぶ不動産会社を選定します。
(3社程度呼ばれることが多いです)

恐らく査定依頼から1週間程度で査定書は出揃います。
そのため、査定依頼から1週間経過した最短の土日で家族会議をします。
査定書をリビングのテーブルに並べ、選ぶ根拠を探します。

根拠は様々ですが、よくある項目として、

・知ってる会社かどうか
・査定価格
・査定書の作り
・信頼できそうか
・保証内容

など、こじつけでも納得できる根拠を探します。

このときに、メールのみの査定書があったらどうでしょう?
今のご時世家にプリンターがある世帯も減ってきています。
そのため、PCで査定書を閲覧します。
まず、送られてきたメールを探す必要があります。
ただ、メールボックスには大量のメールがあります。
そこから、いつ送られてきたかもおぼろげな一通のメールを探す必要があり大変手間です。

また、PCが無い家庭も増えてきています。
その場合、スマホで閲覧する必要があります。
添付ファイルであれば見れますが、ファイルストレージ形式で送っていたら見るのが更に面倒です。
そのため、「面倒だから候補から外そう」という選択をされてしまう可能性があがります。

「でも折角の機会なので、ちゃんと見よう」と、この手間をかいくぐる売主もいらっしゃいます。
ただ、閲覧はデジタルデータ。
紙と比較すると、やっぱり頭には残りづらく、流し見になります。
そのため、どれだけ差別化出来てたとしても印象には残りづらくなってしまいます。

もちろん、全ての売主が該当するわけではありません。
ただ、確率論で一定数こういった売主は存在しています。
極論ですが、査定書を郵送しないと比較検討される土俵に残らないいっても過言ではありません。

「じゃあメールでの査定書は意味ないの?」

と思われそうですが、メールでの送付も、もちろん必要です。
ただ、メールでの送付は、郵送とは目的が違います。

郵送が印象に残すために行うのであれば、メールは「スピード」のエビデンスとして送る必要があります。

売主は一括査定依頼直後が一番熱を持っています。
そこからすぐ査定書が届けば、その不動産会社の印象は鮮明になります。

逆に依頼から1週間経過してしまうと、既にトーンダウンしてる可能性が高く、見向きもされません。
まさに鉄は熱いうちに叩けです。

実は、媒介を預ける不動産会社の選定理由で最も多いのは「レスが早いから」だったりします。
そのため、いくら提案内容や資料をこだわってもこのスピードが無ければ、選ばれる可能性がぐんと下がります。

理想でいうと査定依頼当日に、査定書をポストに投函すること。
ただ、現実的に難しかったりします。
そのため、まずは査定依頼当日、ないしは翌日にはメールでお送りすることで、「レスが早い」というエビデンスになります。
どちらにせよ査定書は作成するので、メールを1通送る手間とコストは微々たるものです。

郵送は「印象に残すため」、メールは「レスが早いエビデンスのため」と役割りが違うことを意識してご対応いただければと思います。